歯周病治療

正しいブラッシング法

1.なぜみがけていないのか

歯は単純な平面でできていません。さまざまな曲面から形成された円柱のようなものです。ですから単純に歯ブラシで動かしても歯の全周から歯垢を取り除くことはできません。歯ブラシを立てたりねかせたりして、歯の面に直角に歯ブラシをあてないと歯垢が落ちません。要領としては歯と歯の間に歯ブラシを入れ込む感じ。


2.いつみがくのか

食後にみがけば理想的ですが、特に夜、寝る前にしっかりと時間をかけてみがいてください。時間が長ければ長い方が良い(最低10分)みがく回数よりもみがいている時間のほうが大切です。テレビをみながら、雑誌をみながらなどの、ながらみがきをお勧めします。


3.なぜ、歯ブラシで歯をみがくのか

虫歯も歯槽のうろうもその原因は歯の汚れ、すなわち歯垢(プラーク)です。歯垢はいったん歯につくとブラッシングで落とす以外に方法ありません。歯の健康管理の基本は歯垢落としにあるのです。リンゴを食べただけではプラークは全く落ちません。歯ブラシの毛先を使う毛先みがきが大切です。


4.なぜ、毛先みがきが有効なのか

歯は曲面からできた立体なので、みがく部分によって、歯ブラシのカカト、ツマ先、両側を使いわけることが必要です。いずれも歯面に直角に歯ブラシをあてることです。


5.なぜ、力の入れすぎはいけないのか

力を入れすぎて歯をみがくと、すぐ毛先が開いて毛先磨きができなくなり、かえって歯ぐきを傷めたり、歯ブラシがすぐにダメになるなど害が多い。また、以外と歯がみがけないものです。歯ブラシの毛先を歯にあてる圧は約70gくらいです。70gの力の目安は、みがく音が軽く、シャカシャカと心地よい音がしているときです。


6.歯ブラシの持ち方は

とくに指定はありません。自由でいいのです。自分の最も持ちやすい形でかまいません。ただし、強く歯ブラシを握りすぎてはいけません。みがく歯の部位によって、コントロールしやすいように軽く持ってください。ペンシル持ちが良いでしょう。


7.どんな歯ブラシが良いか

ひとことで言えば各自の口にあった使いやすい歯ブラシが良いといえます。しかし、一般的な目安としては、


  • 柄はまっすぐが良い。
  • 毛先の材質はナイロンが良い。
  • 大きすぎるよりは、むしろ小さめを選んだほうが良い。
  • 歯ブラシには、かため、ふつう、やわらかめ、という毛の硬さの表示がある。一般的には、ふつうを選ぶにのが良い。しかし、歯肉炎や歯槽のうろうの人はやわらかめからスタートするのが良い。

8.歯ブラシの交換時期は

毛先の弾力がなくなって、しかも毛先が開いてきたら換え時です。毛先が開いた歯ブラシでは歯垢が落とせません。1ヶ月程度でとりかえるのが良いでしょう。


9.みがき残しを防ぐには

  • ①振幅の大きな横みがきは避けてください。たてでも横でも良いから一歯分以内しか動かさないでください。(極端に言えば、歯と歯の間だけみがくくらいのつもりで)
  • ②みがく部位の順序を決めておく。
  • ③歯垢染め出し剤を使用すると、みがき残しの部分がはっきり分かります。赤く染め出される部位は、主に、かむ面、歯と歯の間、歯ぐき、です。
  • ④歯ブラシの届きにくい部位については、歯間ブラシやフロスを使うと更に効果的です。
  • ⑤奥歯の頬側をみがく時は、口を小さくあけるか、として行うとやりやすい。
  • ⑥やみくもにみがいても歯垢はなかなか落ちません。歯ブラシの毛先を歯面に直角にあててみがいてください。歯面は曲面ですから、常に毛先と歯面が直角になるようにするには、刻々と歯ブラシの向きをかえることです。例えて言うと、一本の歯を右からも左からもていねいにみがくということです。
  • ⑦みがく時間が問題です。一般には、たいていの人はみがく時間が短すぎます。みがく時間が長ければ長いほど良いのです。特に夜、寝る前には最低10分間はみがいてください。砂時計をするのも良いでしょうし、時々、時間をはかってみがいている時間をチェックしてください。

10.歯磨剤は

歯磨剤をたくさんつけてみがくと、ちょっとみがいただけで、口の中がさわやかになったという気分になりますが、さわやかさを清潔あるいはきれいにみがけたとさっかくしています。歯磨剤をまったくつけないで歯をみがくと、特にみがく時間が短いと、歯面にタバコやヤニのような色素が沈着しやすいものです。女性の方は美容の点で気になることでしょう。

歯垢を落とすという意味では、歯磨剤はまったく必要ではありません。歯ブラシがほぼ100%の効果をあげます。しかし、歯磨剤によっては、多少薬品による虫歯の予防効果や歯肉の消毒作用もありますから、全く無駄というわけでもありません。そこで私が勧める方法は、①ブラッシングが終わって最後に少しだけ歯磨剤をつけてみがく。②毎朝だけは米つぶぐらいつけてみがく。③日曜日だけは歯磨剤をたっぷりつけてみがく、と言ったアドバイスをしますが、あくまでも基本はブラッシングにあることを忘れないでください。


11.その他

  • ①歯ぐきから出血すると、心配になってみがくこととぉためらう人がいますが、それは逆です。つまり、みがき足りない証拠です。どんどんみがいてください。口の中の出血はすぐに止まります。心配ありません。1ヶ月くらいすると出血しなくなります。
  • ②虫歯でもないのにしみたり、食片が歯間にははさまって気になるという場合も、そこの部位のみがき足りない証拠です。できるだけ長時間、ていねいにみがいてください。歯肉がよくなってくるとしみなくなってきます。また、食片がはさまりにくくなったり、はさまってもすぐとりやすくなります。
  • ③要は、みがいているのと、みがけているのとは違うということを理解してください。
  • ④歯垢染め出し剤を使って、手が完全に歯ブラシの使い方を覚えるまで、自分のみがき方を練習して、自分にあったみがき方を工夫してください。
  • ⑤もしみがいていて歯肉が痛いような時は力の入れすぎです。痛くない程度にみがいてください。
  • ⑥歯ブラシを口の奥へ入れると吐き気をもよおす人は子ども用の小さい歯ブラシを使ってください。
  • ⑦正しいみがき方をマスターするまでは少し大変かもしれませんが、一度マスターすればあとは非常に楽です。既に歯を悪くしてしまっている人でも、あきらめないで今からでも遅くありませんから、毛先をうまく利用したブラッシングに取り組んでください。

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